九州大学 芸術工学部 工業設計学科 KYUSHU UNIVERSITY SCHOOL OF DESIGN DEPARTMENT OF INDUSTRIAL DESIGN

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卒業研究

工業設計学科では、すべての学生が4年生になると研究室に配属されて、1年かけて専門分野の研究を行います。1年生から3年生まで万遍なく学んできた、人間工学・知的機能工学・インダストリアルデザインの3つの分野を統合した知識や経験の上に自分の専門を深めた集大成が卒業研究です。ここでは、2021年度卒業学生の幅広い研究成果をご紹介します。

2021年度・卒業研究

  • サステナビリティを考慮した新たな食品包装の研究
    山崎 賢太郎
    プラスチック製食品包装容器の消費を通じて、私たちの日々の食生活はプラスチックごみ問題と密接に繋がっている。本研究では、スーパーマーケットで使用される肉・魚用パッケージの課題と求められる要件について調査を行ったうえで、サステナビリティを考慮した新たなデザインを探った。結果として、スーパーマーケットと消費者を取り巻く持続可能なビジネスモデルと、その中で使用されるパッケージを提案した。
  • 勝手違い両開き扉の設置条件と使いやすさの向上
    篠原 愛海
    開き戸には、風や気圧差によって開けにくくなるという問題がある。この問題の解決案として勝手違い両開き扉が挙げられる。勝手違い両開き扉は実際に導入されておらず、使用の際の問題や改善のための研究が進んでいない。そこで本研究ではまず、既存の両開き扉の設置場所の調査を行い、設置条件を明らかにした。次に、勝手違い両開き扉の使いやすさを向上させること目的とし、使用時の特徴の検討を行った。
  • 育児と個人の時間を両立したい母親のためのスペースデザイン
    髙橋 凜
    本研究では、インクルーシブデザインの視点から、一日中一人で未就園児と向き合う母親の社会的孤立や精神的孤独に着目し、育児のストレスや課題を抽出した。そのうえで、「福岡市立中央児童会館あいくる」の乳幼児フロアを対象に、個人のためのシェルターを複数配置する母親スペースのデザインを提案した。
  • 注意に関する個人特性と創造性の関係についての検討
    上田 珠生
    過去の研究結果から、注意に関する個人特性が創造性を促進または抑制する要因として働き、創造性課題の種類によっても関連が異なることが示唆されている。本研究では、過去に検討されていない創造性課題(DivergentAssociationTask、タングラム課題)を用い、各個人特性が創造性に与える影響を新しい側面から検討することを目的とした。結果、ADHDの下位項目と創造性の関連が示唆された。
  • 詩の創作と交流のきっかけを生む仕掛けの提案
    沖尾 澄香
    本研究は「ことばの創作活動やコミュニケーションの輪を広げ、私たちがいきいきと生きる一助とする」ことを目的とし、創作活動・交流のきっかけを生み出す仕掛けとして、句作で遊べるカードセット「芸工五七」と、それをより楽しむためのWEBサイト「あいまに芸工五七」を提案した。「芸工五七」では、〈五七抜き〉、〈神経衰弱〉、〈五七五王決定戦〉の3つの遊び方を用意した。「あいまに芸工五七」を組み合わせることで、創作と交流をより楽しむことができる。(「あいまに五七」へのリンクはこちら→https://poem-ing.wixsite.com/h-literature)
  • 試着空間のデザイン研究
    清田 琴美
    服の買い物は私にとって非常にワクワクする体験だ。しかし、服選びの肝ともいえる試着室では楽しい服選びの体験ができていないと感じる。服選びの傾向から、自分と同じZ世代のユーザーは、たくさんの共感が得られる体験に価値があると感じているのではないかと考えた。そこで、インターネット通販×リアルでの試着でお買い物精度を上げられる試着体験「FITTainment」を考案した。失敗しない買い物をしたいというニーズを叶えつつ、複数人で利用する仕組みで共感が得られる体験を可能にした「試着屋」である。
  • 「違和感」を用いた、想像を刺激する遊びの提案
    宝田 知隼
    本研究では、「違和感」に想像を刺激する力があると考え、言葉の違和感をテーマに研究を行った。調査をもとに、「ことばを組み合わせることによる違和感」、「比喩表現による違和感」の2つを軸にことば遊びの提案を行った。提案物である譬喩神経衰弱では、対象が虫食いになった比喩表現が書かれたカードから神経衰弱の要領でペアを見つける。この遊びの中では様々な組み合わせ、様々な比喩表現から自由に想像を膨らませ、それを共有することを楽しむ。
  • レトルト食品用パウチの機能向上に関する研究
    成田 玲一
    保存能力の高さや調理の簡便さを有するレトルト食品は日々の生活の様々な場面で利用されています。しかしレトルト食品を包装しているパウチは、加熱によって高温になってしまう、開封がしづらいなど様々な問題を抱えています。そこで機能や形態の面からパウチに改良を加えることによって、よりストレスなく利用できるレトルト食品用パウチの開発を行いました。
  • 釣り経験のない女子大生のための釣具デザイン研究
    友田 悠杜
    釣り業界に女性を進出させるため、美容機器の要素を還元して釣具をデザインした。美容機器の大まかな造形の要素をなめらかで大きな曲面によるくびれ・ふくらみ、より細かい造形の要素を一部に伸びやかなエッジライン、CMFの要素をエッジ部に金属をあしらい、美白や肌を連想させる色合いと設定して研究を進めた。海辺、湖などの新しいフィールドへの女性たちの船出を願い、Forira(エスペラント語で船出を意味するForiroと女性名詞の語尾につくaを組み合わせた造語)と名付けた。
  • 色彩・トーンによるピンク色の印象変化とその可能性について
    寺尾 知華
    ピンクという色は可愛らしさや女性らしさなど様々なものを私達に想起させる。しかし、「ピンクは可愛い色」「女の子はピンク」といった固定観念は私達の選択やアイデアの幅を狭め、時にはジェンダーに関する問題に発展することもある。本研究では、幼少期から現在にわたり形成されたピンクに対する認識や他の色と比べた時の嗜好傾向を分析し、「可愛い」「女性らしい」だけではないピンクの表現を行った。
  • 駅をはじめとした公的な場における「ひとり空間」のデザイン研究
    佐々木 あかね
    都市部では多くの場所でさまざまな人と空間を共有する機会が多い。そうした中、コロナ禍を経て「自分」と「他者」の存在を再認識したり、気軽に人と会えない中で「ひとり」の時間の過ごし方について改めて考えた人も少なくないだろう。本研究では、文献調査やフィールド調査を通じてより気軽かつ快適に利用できる「ひとり空間」について考察し、駅の待合スペースを対象にデザイン提案をおこなった。
  • ボードゲーム好きな人のための新たなすごろくのデザイン研究
    丹下 創太
    勝ち負けがサイコロの運のみで決まらない新たなすごろく「魔法修行の旅」を提案した。プレイヤーは3個のサイコロを振り、出た目から1つを選択。選んだ目に合わせて進み、選ばなかった目に対応したトークンを獲得できる。トークンはマスの効果の発動に必要であるが、勝利条件にマス効果の発動が含まれているため、プレイヤーは進みたいマスと欲しいトークンを天秤にかける必要がある。戦略性とプレーヤー間の駆け引きを楽しめるすごろくに仕上がった。
  • 配信で動く人形による新しい娯楽の提案
    西村 息吹
    会場に赴いて鑑賞するのではなく、家で平面の画面をのぞいて鑑賞するのでもない、新しい娯楽を開発すべく、立体を用いた娯楽の配信サービス「dollming」を提案した。アップロードされた作品から鑑賞したいものを選びダウンロードすると、手元に用意した人形が動く。実体があるため実際に触ったり持って移動させることができ、制作者と鑑賞者双方のクリエイティビティを反映させることができる。
  • 小学校における外国人家族と担任教諭のコミュニケーションについての研究
    山田 和佳
    小学校入学当初の外国人の子供と親、小学校の担任間のコミュニケーションをサポートする連絡帳のデザインを行った。子供と担任向けの連絡帳には子供の感情表現が容易に行えるチェック欄を設け、親と担任向けの連絡帳には基本的な連絡事項を英訳したチェックリストを配置した。子供から担任への感情表現のやりとりを親が見守りながら、子供の小学校入学時のストレス解決を図ることを目的とした。
  • ステアリングホイールの形状が操作性に与える影響
    棚町 悠暉
    円形とD型のステアリングホイールについて、操舵時間、主観評価、筋電図を用いて形状の違いが操作性に与える影響を評価した。その結果、D型の方が、短時間に所定の操作ができ、主観評価においては回しやすく、さらに筋電図の分析からも操作性が良いことが分かった。
  • ツーリング支援のためのライダーとオートバイを乗せて移動する夜行列車のデザイン提案
    川崎 大雅
    大学生ライダーが体感するオートバイの魅力は自らの車両を使ったツーリングで拡張されるものであると考える。そこでオートバイを積載して移動しツーリングを支援する寝台列車のデザインを行った。オートバイとの適切な距離感、ライダーの居住性、オートバイを起点としたコミュニケーションをデザイン要件とし、その適切なバランスを探った。原寸大モックを使った検討により、限られた空間内でも快適性を確保したレイアウトが重要なことが分かった。
  • 現代に活かすカウンターカルチャーの価値の作品化
    川口 俊興
    私は60年代のカウンターカルチャーの価値を現代に活かし、既存価値が生んだ問題について考えるきっかけを与える作品の制作を目的とした。消費を批判するためにショッパーをデザイン対象とし、スウィンギングロンドン、ヒッピー、パンクスの信念に沿って3つの作品を古着で制作した。「性の消費」、「大量生産」、「形あるもの」がそれぞれのテーマである。
  • ピクトグラム内の人の有無が観察時の脳活動に与える影響:子どもと成人の比較
    上村 結芽子
    ピクトグラムの理解のしやすさについて、客観的指標として動作の意図理解を反映するミラーシステム(MS)の活動を調べる試みがある。本研究では、ピクトグラム内の行為を伴う人の有無がMS活動に与える影響について、理解能力が発達段階にある子ども群を対象に成人群と照らし合わせた検討を行った。結果、子ども群において人の有無の違いによるMS活動への影響は確認されなかったが、ピクトグラム観察時の両群の脳活動の違いが見られた。
  • 日常に気づきを促すエレベーターホールのデザイン提案
    日髙 耀
    スマートフォンなどの電子デバイスの普及により、時と場所を選ばずして好きな情報を得ることができる。この便利さからどこでもこれらを利用してしまい、その場に存在している価値に目を向けられていないのではないか。そこで本研究ではエレベーターを待つ時間に、他のユーザーの存在へと気づきを促すようなエレベーターホールのデザインを提案する。このホールでは水滴を用いて他のユーザーの存在を伝え、日常へ気づきを促す。
  • エシカルコットンプロジェクト 
    ― メディア性を持つTシャツにエシカルな働きを持たせるプロダクツ
    原 慎太郎
    服の最も大切な素材であるコットンの生産背景には社会的問題が存在する。過去の黒人奴隷労働問題、現在も続く農薬の大量使用、児童労働の問題である。それらを解決するオーガニックコットンのエシカルな価値を伝えるべきである。エシカルという視点でコットンを考え直すことで、現代の生産消費の課題を抽出する。エシカルな価値をTシャツのメディア性を利用し人に伝え共有し、ユーザーとともにエシカルコットンのあり方を考えていく提案である。
  • 日常の記録における物語性の活用の研究
    ― 「落ち」を活用した検証
    髙野 祐聖
    大学生にもなると時の流れの早さを実感するようになった。印象的に記憶に残すには、感情を刺激する必要がある。本研究では、そのための要素として、物語性を活用する。物語制作の手法は様々であるが、今回は「落ち」を使った演出で日常の印象をより印象的に残す方法を検討する。そして、実際にそれを体験してもらうことで、今回用いた手法の妥当性と日常の印象がどのように変わったかを確かめる。
  • 色彩表現に関する新たな教育のためのデザイン提案
    鈴木 智畝
    現在の図工は情操教育であり、作品制作などの表現は行うが色彩の原理については学習しない。一方でインタビューから、原理の知識不足や絵の具の量の調整・混色の比率などの数理的感覚が色彩表現の苦手意識の原因となることが分かった。また、理科においても幅広い分野で色について言及があった。そこで本研究では作品制作を行う図工・原理を教える理科・数理的感覚を養う算数を融合させた、新たな教育のためのプログラム・プロダクトのデザインを行なった。
  • ハンディクリーナーの諸要素が与える姿勢への影響
    松尾 泰平
    軽くて使いやすく隙間時間の掃除に使用するなどの理由により、ハンディクリーナーの使用が増えている。また、従来の掃除機についての先行研究によると長時間の使用によって姿勢への負担が大きくなることが分かっている。しかし、ハンディクリーナーの使用による使用者の身体への影響についての先行研究は見られなかった。これらをふまえて、本実験では、ハンディクリーナーを使用した際に、身体にどのような影響があるのかを姿勢評価を通して検討することを目的とした。
  • インテリアのスタイルの分類およびその特徴に関する研究
    新宮 匠
    インテリアデザインではスタイルという言葉が多用されているが、その定義は明確ではない。そこで本研究では、スタイルを表現する用語を収集、それらの特徴について整理することを目的とした。まずスタイルを表現する用語の調査を行い、共通概念で分類した。次に、代表的な15スタイル対象として、スタイルを特徴づける色と素材との関係を分析したところ、大半のスタイルでは、色、素材の違いから分類できることがわかった。
  • 共創ワーク中の音声コミュニケーションと「響きあい」発現との関係
    七條 花恋
    共創ワーク中の音声コミュニケーション(言語・近言語)に着目し、個々人の創造的心理状態が互いに刺激・共鳴している「響きあい」発現との関係を探った。「響きあい」発現はアイデア深耕時に多く、言語機能タグによる分析では「停滞」せず「質問」「躊躇/真剣/案の上乗せ」「好意的な反応」の相互的コミュニケーションが多いこと、また主に一方が話し他方も発話で応じる程度の発話割合が多いこと等を定量的に確認した。
  • 「全力休憩」を促すための嗜好品のデザイン研究
    富嶋 菜々香
    スーパーフレックス制の導入やコロナ禍の勤務のリモート化よる出社時の負担増加により、満足に休憩できない現代社会人が増えている。そこで、北欧のFikaというコーヒー休憩の文化を先行事例とし、短時間でも完全に仕事から離れる休憩=「全力休憩」を生み出すためのプロダクト「使い捨てコーヒーアソートFuu」を提案した。
  • 手の機能拡張に関するデザイン研究
    和田 将造
    手にはさまざまな機能が備わっており、外界にアクセスする重要な器官である。その中でも特筆すべき機能として、拡張可能性の高さが挙げられる。これは、道具などを用いることによって手の機能を拡張するものである。本研究では新たな手の機能拡張の方法を模索し、そこに既存の方法とは異なる新しい価値を見出すことを目的とし、フレームワークから作成したガジェットをもとにワークショップを行い、その方法について研究した。
  • 未来のより良い服選びに関する研究
    古川 博之
    将来はAIを活用したデジタル画面上での服選びが一般化し、能動的な服選びの姿勢や服選びの楽しみは失われると考える。そこで、お気に入りや使用頻度の高いアイテム1つ1つを空間にオープンに配置して、それらを基準に服選びを楽しむワードローブ『ChooseRobe』をデザインした。服選びには、楽に試着できるハンガーやアイテムを重ねてモノベースの疑似試着ができる試着レーンがあり、収納も好きな高さ・配置にできる。
  • 素材と形の組み合わせで作られる印象について
    青木 万由子
    私は日本の伝統工芸に強く惹かれるが、全ての工芸品に惹かれる訳ではなく、また同様の魅力を見出す対象は工芸品だけではない。卒業研究を進める中で、それらのプロダクトが秘める「ギャップ」に魅了されていることに気づいた。本研究では「素材」と「形状」に着目し、それら各々の印象評価の組み合わせのギャップと魅力との関係を実験的手法により探った。
  • 食品サンプルを用いた食品ロスの課題解決のためのデザイン提案
    徳村 侑果
    食品サンプルを活用した食品ロスの課題解決のためのデザイン提案を行った。最終提案として、店頭に設置して食べ残しの持ち帰りが可能であることを示すサンプルケースを製作した。ケースの中を左右に分割し、左側に食べかけの2種類のピザのサンプル、右側にそれを一切れずつパックに入れて配置した。左側は店内、右側は家での様子を表現している。これを設置することで一目で持ち帰り可能であることが分かり、食品ロスに関心を持つきっかけにもなる。
  • 脳波に基づいた休憩が精神作業課題中の生理指標および主観評価に及ぼす影響
    西野 颯真
    精神的疲労は作業パフォーマンスの低下を引き起こすとされる。休憩は疲労を回復するための重要な要素の1つでありパフォーマンスの低下を防ぐために休憩の効果を高めようとする人は多いが、休憩を検討する際に脳波などの生理指標が用いられることは非常に少ない。そのため、精神的疲労と関連しているといわれる脳波をリアルタイムで観察し、それらに基づいた休憩が生理指標や主観評価に与える影響を検討した。
  • 筋トレマシンを用いたトレーニングのためのアプリ提案
    野村 回
    筋トレマシンは動きの軌道が固定されているため、初心者でも扱い易いという利点があります。しかし長続きしないという課題があったため、初心者がマシンを用いて筋トレを行い、継続する際に生じる課題を調査しました。その結果、モチベーション維持と最適なスケジュール管理に不安を感じているということが分かりました。この課題解決のために、日程管理機能と筋トレ成果表示機能をもつスマートフォン用アプリを提案しました。
  • 内受容感覚の学習効果:心拍誘導電位を用いた検討
    長棟 陸
    うつ病や不眠症などの精神疾患は現代社会において重要な問題となっている。また、ヒトの気分調節機能や精神疾患を理解していくうえで、身体反応との関連について研究することは重要であると考えられる。本研究では、身体反応と気分をリンクさせる機構であると考えられる身体内部の生理状態を感じる感覚である内受容感覚の学習効果に着目し、客観指標と主観指標から検討した。
  • 折紙チューブの変形とその利用に関する考察
    山田 湧雅
    折紙構造の一つである折紙チューブは、建築や医療など幅広い分野で応用が研究されているが、手に取れる大きさの身近な製品への応用例は少ない。そこで本研究では、折紙チューブの変形の特性を利用した身近な製品を提案することを目的とした。チューブ内部に光源を入れることで、折紙チューブを提灯として用いることができないかどうかを、チューブの重心位置の変化から検討した。
  • 船乗りの食事に関する課題解決のためのデザイン提案
    佐田 寛朗
    競技セーリングにおけるクルーザーヨット内の食事という行為は、揺れや傾きでできていないこと、食べれるものの制限により食事の楽しみが失われていることが課題である。そこで本研究では、クルーザーヨットの食事に関して調査し、食事の楽しさを与える食卓空間のデザインを行った。船の傾きに対応できる食事用トレーと船の傾きを教えてくれる食卓用オブジェを制作した。
  • 紙を用いた立体表現に関する研究
    清水 堯介
    2次元上の1枚の紙であった展開図が3次元の立体に変化することに表現としての可能性を感じ、試作として立方体の展開図が立ち上がって立体になる過程を1辺1cmの立方体一つとその展開図4枚を組み合わせて66パターン作成した。それらを比較し、展開図の種類と底面の位置の違いがどのような表現に繋がるのか分析し、分析から得られた条件を元に、五種類の多面体の展開図と底面の位置を選定し、最終制作とした。
  • スキンケア初心者の男子大学生に向けたスキンケア商品のデザイン研究
    伊藤 直央
    『オンライン映え』やマスクによる肌荒れで肌ケアやメイクを行う男性が増え、メンズコスメ市場が拡大している。その一方で、メンズメイクに抵抗を感じる男性が多いことが分かった。本研究では先ずは適したスキンケアの習慣化のきっかけをつくり、スキンケアやメイクを始めやすくなることを目的とした。シンプル好きな一人暮らしの男子大学生をターゲットに初心者のための『肌がステップアップする』スキンケア商品を提案する。
  • ゲーミフィケーションを用いた新たな防災提案
    LEE YUEH
    内閣府が行った世論調査によると、18〜29歳が最も避難訓練への参加が少なかった。本研究では、九州大学大橋キャンパス内での避難訓練に着目し、ゲーミフィケーションを用い、新たなデザインの提案を目的とする。調査の結果、考察から建物の構造を普段から意識させることが必要と考え、キャンパスの階段を全部集めるアプリゲームをデザインした。
  • ヘッドアップティルト時の循環調節反応と生活習慣の関係
    石橋 駿
    起立時に生じる過度な血圧低下により、めまいや失神などが症状として見られる起立性低血圧があり、評価方法の一つにヘッドアップティルト試験(HUT試験)が挙げられ、本実験では、生活習慣を構成する運動習慣、食習慣などとHUT試験から得た結果との関連性を調査することを目的とした。研究の結果、少ない身体活動量は起立時の収縮期血圧を低下させ、起立性低血圧へ繋がる可能性が示唆された。
  • 機械学習を用いたウェアラブル端末の睡眠段階推定の精度向上に関する研究
    齊藤 和磨
    睡眠段階の判別にはウェアラブルデバイスが広く用いられており、簡易的に睡眠分析が行えるが、精度は最高でも75%程度である。一方、臨床では脳波や筋電図などから睡眠段階を判定する睡眠ポリグラフが用いられている。睡眠ポリグラフは、参加者や検査者の負担が大きい。以上より、ウェアラブルデバイスで高精度に睡眠段階が推定できるように、睡眠ポリグラフを組み合わせて機械学習を用いた睡眠段階推定の検討と行った。
  • 受験生をターゲットにした芸術工学部のPR動画デザイン研究
    南 亜洲加
    本研究では、芸術工学部をまだ知らない高校生に芸術工学部の魅力を知ってもらうためのPR動画を制作した。調査を行い、高校生が最も関心を示した「恋愛」を軸に「多様な視点からそれぞれの最適解を見つける」という芸工の魅力を伝えることを意識して制作に取り組んだ。(https://youtu.be/v9b_W8i2qNo)
  • 日本的美観の再定義及びその造形表現
    山田 涼文
    古典日本美術を紐解き表出した「人間的な行為によって自然へ挑み、極めて近い距離で自然と人工を共存、対比させ互いを生かし合う。」という根底概念を前提に、人間的な行為を空間やモノから形態的な多様性を消失させる行為、とりわけ均す行為と規定し、身体性から生じた行為の積層と自然に流れる時間の積層の交差及び両者に通底した記憶の共存と対比を、左官技法のアプローチから9枚のプレートとして出力した。
  • 局所冷却による運転時の覚醒度及び生理反応への影響に関する研究
    ― Effects of Local Cooling to Alertness and Physiological Responses during Driving
    江﨑 俊介
    先進運転支援システムの普及により、自動車の安全への関心が高まっている。一方で、2035年の国産新車販売で電気自動車100%が目標に掲げられ、快適装備の省エネルギー化が求められる。局所冷却刺激は省エネルギーしつつ、覚醒度が高く維持されるという先行研究があることから、局所冷却による運転時の覚醒度及び生理反応への影響を明らかにすることを目的とする。
  • 若年者のウィズコロナ社会に対する適応度に関する調査
    添田 真一
    新型コロナウイルスは社会に長期的な影響を及ぼしている。福岡県では緊急事態宣言が4度発出されているが、人々の外出頻度は増え、慣れてきているようにも思える。そこで、本研究は去年の卒業研究に続きBigFiveパーソナリティ特性と主観的健康感の指標を含むWebアンケートを行い、新型コロナウイルスが主観的健康感に影響を及ぼしている要因を探ることを目的とした。
  • 動作アシストとの協働がその後の平常動作に与える影響
    有本 鎌
    近年、高齢社会の進行に伴い、高齢者の自立を支援するアシスト機器の開発・導入が行われている。アシスト機器の外力を巧く用いるためには、アシストと人との協調が必要となり、巧く協調できない場合、使用者を転倒などの危険にさらしてしまう可能性がある。本研究では、アシスト機器との協調に慣れた状況下において自身の力のみで運動を行った際、どのような変化が見られるのかを検証した。
  • 「癒し」に関する研究
    ― 生活のシーンと商品に着目して
    小川 弘秋
    人々は「癒し」を求めている。市場には多くの「癒し」商品が存在する。一方、両者の関係をみた研究は少ない。そこで本研究では、両者に関係する事例を比較するとともに、新たな商品開発の可能性を考察した。具体的には、大学生8名を対象として「癒し」の生活シーンを収集、25種類に分類した。次に、「癒し」を訴求する商品を収集、22種類に分類した。最後に、両者の対応関係を比較して、新たな商品開発の可能性を考察した。
  • 屋外におけるポータブルワークツールの提案
    西村 陽平
    増加するテレワーク人口に対してその働く場所が主に屋内と限定的であることから、デスク環境をポータブル化することで働く場所の多様化を目的とした、リュックサックから20秒で展開できる椅子と机一体型のポータブルワークツールを制作した。椅子を含んだ60×35cmの天板を持つハイテーブルによって多様な場所での多様な作業を可能とした。